房は寝室を意味し寝室の中での術ということになります。
房事=性愛に間違いがあれば長寿はまっとうできない。病気にもなると教えます。
房中術とは道教の養生法の一つです。目的は病気予防と長寿です。
中国道教には養生の道という健康法がありました。
道教は、日本ではなじみが少ないですが、中国の神道と言っても
よい、中国古来の信仰です。仏教と一緒に日本にも伝わり、陰陽道や修験道に受け継
がれています。元旦、節分、ひなまつり、端午の節句、七夕、などの風習も道教が
ルーツです。
台湾では、馬祖廟、行天宮、などいたるところに道教の廟があり、線香の匂いが絶え
ません。
中国にインドから仏教が伝わると、それに対抗するように仙人になることをめざす神
仙道、黄帝と老子の教えを守る黄老道、呪術や鍼灸按摩を得意としていた巫術などが
もとになって道教に発展しました。
不老不死の秘薬をもとめて、日本に渡った徐福も方仙の術を行う者でした。
道家とは老子と荘子の清静無為を信奉する派で、道教の養生法を実践する人々のこと
です。
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気功養生の中には現在の気功にも含まれている
静功、動功、呼吸法、房中術、外丹、内丹などがありました。
静功.........精神
を養い徳を積む功法(守一、守中、存神、存思、内視、止念、睡法、収心、定観、忘座)
動功...........身体を強健にする功法(行気、漱咽、按摩、導引、五禽戯、
八段錦)
気功........呼吸鍛錬の功法(故吐納新、服気)
房中........性愛の方法、性生活の衛生法(採陰補陽、陰陽の道、保精、守神、
到気、環精、補脳)
外丹.......食物や生薬を摂取することによって長寿健康を保つ方法(服食、外
養)
内丹.......精気神を鍛錬する道教養生の総合
中でも古代神仙道教方術では行気、服薬、房中を3つの柱としていた。
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性愛は鍛錬の障害ではなく、重要な要素です。
古代、房中術を収めた女仙は280歳になっても、18歳にしか見えないという記述があるそうです。女仙
と交わり陰気と血気をもらいます。陰の気を採って陽の気を補います。
陰
陽の観点から見れば、男性は陽気、女性は陰気ということになります。男性の陽は女性の陰を必要として女
性の陰は男性の陽を必要として、男性は女性なくしては健康になれないという考え方です。男女が交わらな
いと病気になります。
本
来なら射精によって外に放出されてしまう精気を放出せず、背中の督脈を上昇させ、脳に還流させます。こ
れによって性エネルギーが体内を循環して全身を若返らせ、健康を保ちます。
1、男女交接は自然の規律
長期間男女交接を絶てば、体内の陰陽バランスが崩れて病気になります。秋は春にくらべて回数は
すくなくします。
2、早婚はだめ
性的に成熟してから行うことです。
3、精をもらしすぎてはいけない。
交接しても精液をもらさないようにするが、まったくもらさないのではなく、1月に数回はもらし
てもよい。もらす回 数は年齢が高くなればなるほど少なくなる。
4、性欲がわかないときはしない。
無理に行うといろいろな障害が起こる。
5、してはいけないこと
病気のとき。食べすぎ、疲労がはげしいとき、酒を飲んでからはしてはいけない。
具体的方法
精が少なくなると病気になり、精がなくなると死ぬと考えられていたので、当然精をもらさないようにす
る。
弱入強出.......射精しそうになったら、動きを止めて、引き抜く。
数交不泄.......一晩に多くの女性と性交してもらすことがなければ、採陰補陽となり、エネルギー
が充実します。
前戯を充分にして、陰道に愛液があふれるようにします。じっくりと時間をかけて、女性が最高潮に達した
とき、陰の気も最高になるので、そのときに気の交換をします。呼吸法により男性器から女性器へ陽の気が
流れ、女性器から男性器へ陰の気が流れます。同時に接吻した口からも交流が起こります。
性
愛なしでも男女で向き合って、互いに呼吸法を行い、気を交換します。
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