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<高宮の回想>

 高宮は山形県出身、大学をでて通信社に就職、島根勤務となった。毎日仕事に追われ続け、カップラーメンの世話になりながら一人暮らしをしている。韓国の文化を学ぶ島根のグループで日本を旅行中の清美に会い、その勧めで韓国を旅行した。
 呉哲、清美、美叔、高宮の四人は全州のビビンバブの店を経営する友人のところで、世話になった。
「ソウルのビビンバブはおいしくないでしょう。ビビンバブといえば、全州と相場が決まっているんです。」
 ビビンバブというのは混ぜ御飯で、日本の韓国料理店にもある。しかし石の椀を熱くしてかきまぜて食べる石釜ビビンバブは感動するほどおいしかった。民族音楽を教えているグループの家へ行ってたいこの練習をした。ちゃんごは叩き方は違うが日本の雅楽のたいこにそっくりだ。民族服を着て合奏すると、いやがおうでも盛り上がる。高宮は韓国に惚れ込んだ。
「われわれは兄弟だ。」高宮の顔を見て全州の友人が言った。すかさず「どう思いますか」と隣に座っている呉哲が聞いてくる。韓国には議論好きな人が多いのだ。
「祖先が同じでしょう。古代に韓国から日本に渡ってきた人の数は中途半端じゃない。日本人はその子孫です。」奈良の都、平城京では韓国語が使われていたと言われている。渡来人の征服王朝だったわけだ。
「ちゃんご、笛、たいこの演奏も日本の雅楽にそっくりの楽器を使っていますし、神社の神主の服は韓国のスタイルに似ていますね。」ほうと友人は感心した。高宮が続けた。
「古墳時代の遺跡を比較して見ると、遺物の量において韓国側の方が勝っています。天皇家の象徴だと言われている三種の神器、まがたま、かがみ、つるぎも金でできているものが慶州に沢山出土していますね。まがたまは日本独自の物だと思っていましたから不思議でした。」酒も入っているせいも手伝って、にこにこ顔の友人は高宮に握手を求めた。
「みなまの日本府についても、教科書で習った記憶では日本の領土ということだったけれど、天皇の故郷と考えた方が自然です。日本の歴史の教科書は問題があります。」
「日本人はみんなそう考えているんですか。」友人は高宮に顔を近付けて関心している。「いいえ、関心のない人が大多数ですが、最近は勉強している人も増えてきています。特に若い人には本当の歴史を知ってもらいたいと思っています。」
 夜、店の宴会室で雑魚寝した。清美の横に毛布にくるまって高宮は学生時代の合宿のような、開放的気分にしたった。清美は時間を見付けては翻訳を頼まれている英語の本を開き辞書を引いてチェックしている。
「邪魔しちゃわるいかなあ」
「いえ、もう少しで終わりだから大丈夫。単語だけ調べておけば帰ってから、タイプに打つのは早いから。」
「清美さんはこれから、将来なにをしたいんですか」
「人類学をもっと勉強したいので、アメリカに留学したいんです。今、兄がシカゴで大学に留学中ですが、来年戻ってきます。父は教育に熱心で、お金がないのに借金して兄を留学させたんです。これから兄が働くようになると、父も楽になりますよ。」
「勉強した後はどうするつもりですか。女性が専門分野で働くのは韓国ではむずかしいんじゃないですか。大学教授にでもなるんですか。」
「父はそうしてほしいらしいです。」
「おとうさんは仕事はなんですか」
「高校の教師です」
「僕は、子供の頃、親が貧しかったから、大学を出たら、いいところへ就職して給料を貰って親を安心させようと思っていたんです。でも、今は親も裕福になって、そういう心配もなくなった。清美さんはインディアンの本を翻訳したりしてものすごい勢いで勉強しているでしょ。それを見てると尊敬します。ぼくは仕事を得るための手段として勉強したんです。」
「日本はどう思いますか。」
「ずっと、日本は嫌いでした。韓国人は日本人は嫌いですから。でも、日本人と知り合ってから、日本が好きになった。日本に留学してもいいかなと思うようになりました。日本は近いから」


 <住めば都>

 呉哲と美叔は先にソウルに戻ることになり、全州の駅で別れた。
 慶州は高宮は二度目だ。仏国寺は最近復元されたものだが、国宝の石組のアーチは立派である。奥の石窟庵の阿弥陀像はガラスに遮られてはいるものの壮観である。
 慶州にいるはずの清美の友人とはなかなか連絡が取れず、夕方、駅の裏の市場の屋台で食事をした。高宮はしばらくして腹を押さえた。食あたりらしい。清美は心配して旅館に部屋をとった。下痢が始まってトイレに駆け込んだ。熱い風呂に入って横になると清美が腹を押さえてくれた。
 目を覚ますと、清美は辞書を調べながらメモをとっていた。
「ごめんね。もう大丈夫だから」
「みんなと一緒で疲れたんじゃないの。ゆっくりやすみましょ。」清美は戸棚から布団を出し、並べてしいた。ジーパンを脱いでふとんに入った。
「僕はちゃんごを皆で演奏しているとき血が騒いだんです。やっぱり僕の祖先も韓国から渡ってきたのかも知れない。韓国語も勉強したくなった。」
「韓国が好きなら韓国に住めばいいんじゃない。」
「清美さんはもうすぐ三十才になるのに結婚は考えないんですか。」
「そりゃ、いい人に巡り会えたら結婚したい。今はだれもいません。」
 かつての日本占領時代には日本人と朝鮮人との結婚が盛んに行われた。高宮はこのまま結婚するんではないかと因縁めいたものを感じた。そっと清美のふとんの中に手を入れた。清美は手を握り返しておおじた。


 <オンドル>

 高宮は呉哲の声で我に帰った。
「たきぎをとって来たよ。」呉哲が山の方から太い枝をしょいこに背負って降りてきた。「雪が降るかもしれない。オンドルでまきをたくさん燃やさなくちゃ。冷え込むから。」「ぼくもやります。」高宮は斧をとって薪割りを始めた。呉哲の音はカーンカーンとこだました。高宮の斧の音は鈍く響いた。
 宮田は山を仰いで、木が減っていくことと人間の営みについて考えた。
 オンドルにがんがんまきがたかれた。部屋の床は石でくんで床下は空洞になって火が回るようになっている。大きい石が熱くなると、朝まで暖かい。
「大変だ、ふとんが燃えてる。」前田が声を張り上げた。
 部屋にみんなでおしかけると、たきくちにあたる部屋の床にあるふとんから煙りが出ている。呉哲が確認すると、ふとんも確かにこげてはいたが、床に隙間ができてオンドルの煙りが入ってきているのだった。さっそく泥をこね、穴をふさいた。床に敷かれた厚手のビニールをまくってみると結構、鼠の穴があいている。前田は残った粘土で鼠の穴をふさいた。


 <雪>

 オンドルがかっかとする部屋でみんなで食事をした。キムチに御飯、ラーメンだった。夜中におしっこにたった高宮が雪だと叫んだ。清美は前田を誘って外へ出た。風のない夜に音もなく雪が降っていた。お互い顔が見えるほど明るい。清美が寒いといって前田にしがみついた。三人は身体を寄せあってしばらく雪の中に立っていた。
 自然農業
 次の日、漢先生の自宅に向かった。呉哲も行ったことがない。住所を便りにバスをさがし、最終のバスで目的地に向かった。凍った道路をチェーンをつけないでとばした。停留所で開いていた店で道を聞くと、山の中にぽつんと光る電灯を指さした。
 迎えたのは、美叔だった。どうして美叔がここにいるの。驚く清美に漢先生が答えた。「いや、ちょうど私がね、ソウルに行って、電話したら美叔がいてね、一緒にくることになったんだよ。」
「雑誌社の取材でここへ来る車があって、それに便乗してきたのよ。」
「私たちなんか、大変だったのよ、ここが分からないし、雪はふるしで」
「今日はお客さんが多いから、新しく借りた家に泊まって下さい。今案内しますから」
 またオンドルに火が焚かれ、ロウソクの光で食事をした。
 今度は前田も火の番をした。どうやら日本のかまどの焚き方とそれほど違いはない。
「漢先生は自然療法の医者なのよ。この家は最近借りたんだって。ここで治療と研修を始めたので取材に来たのよ。」
「ここへ来てんほんとによかったわ。私はこういういなかで自然の農業をしてみたいと思うのよ。」火を見ながら美叔は夢を語った。
「毎日オンドルで食事を作り、火を見ながら暮らすわけ。山菜とか木の実の知識も必要だね。」前田はそういう突拍子もない生活もまんざら悪くないかなと思った。
「呉哲の田舎に空き家があるのでそこはどうかって言ってるんだけど、まだ行ってみてないの。もしかしたらそっちに移るかも知れない。」
「来月、自然の友の合宿があるのよ、前田さんも参加して見ない。」
 その夜も雪となった。


 <取材>

 真っ白に化粧した田舎の風景はまた格別だった。五穀飯を食べ、漢先生秘蔵の山菜や、自然食が振る舞われ、自然農業の話しや、都会の、社会問題が提起された。
 漢先生四十二才、彼は当初、有機農法を実践していた。高冷地白菜栽培をためしている時洪水にあい、白菜が水をかぶってだめにしたことがあった。そのとき彼は、水にひたって死んだ白菜の中で幸い生残った数株の白菜を発見した。
 同じ状況の中で、死んでしまった白菜はなぜ死に、生残った白菜はなぜ生きていたのか、その根源的な意味を追及した。その結果、彼は死んだ白菜は息ができないために死にいたり、生残ったものは息が続いていたため助かったのだという極めて当然な理を悟った。
 だとすれば白菜の息がなぜ塞がれたのだろうか。その土の状態を調べてみると畑土がよく耕されていたためだということがわかった。すなわち、土の組織が破壊されて力をなくしていたために、急速な水の侵入を許し土の中に水が溜り、水分過剰になって息を塞いで死んだのだった。それとは逆に生残った白菜があった場所は苗床のまわりで、耕さずにそのまま植えたものだったのだ。そこは土がほどよい固さで水の侵入を拒んだのだ。
 土の中が気孔構造になっていて、その気孔の中の空気を水は追出すことができず、白菜の息の根をとめることができなかったのだ。
 この体験の後、生き方がかわった。土地を耕さず、自然のままの土を生かして農業をする方法、すなわち自然農法を悟ることになったのだ。それと同時に、農民として生きる姿勢、内面の生自体もかわることになった。
 彼が、自然の理、すなわち土地の「気」を悟るや、人間の身体構造もそれと同じだという事実を知るようになった。
 彼は人間の便が息だという確信を持ち、便の毒が滞ると気孔が塞がって、息がつまって死んでしまうという理を悟った。
 そうして、彼は自然健康法を体得し、自然食自然教育にいたるまでの自然的生き方を追及するようになった。取材にたいして漢先生は自分の体験を述べた。
 二日後はよく晴れた。高宮の帰国予定が近付き、雑誌社の車で清美と高宮は帰った。
 美叔は呉哲の田舎へ行く決意をした。
「前田さん、あなたも一緒に行って下さらない。」
「でも呉さんが何て言うか。」
「あなたがいてくれた方が都合いいのよ。お願いね。」前田は彼等の案内のいいかげんさに閉口していた。今度は呉哲の故郷だから任せて欲しいと言う。
 むらに入る
 呉哲は空き家二つを借りることにして、一つを美叔に、一つを自分にととりあえず住めるようにした。また、小雪のちらつく中、まきをつくりオンドルを焚いた。
 最近まで人が住んでいたようで、電気も電話もすぐ使えるようになった。前田も粘土で鼠の穴をふさいたり、壁紙をはりかえたり、ドアを直したりした。
ふとんは二組しかなく、三人でかたまって寝た。
 朝、寒さで気がつくと、呉哲の姿が見えず、美叔が前田にくっついて寝ていた。
「寒い寒い」きがついた美叔は前田に抱きついた。昨晩はオンドルの熱気で熱くて薄着で寝たため冷えたらしい。美叔は着替えのずぼんがないためパンツ一枚だった。
 そこへ呉哲が入ってきた。
「まきが足らないから取りに行ってたんだよ。」美叔は平然と前田に抱きいていた。呉哲は美叔と前田の様子を見て、憤慨した。いきなりズボンを脱いで、美叔においかぶさった。「美叔、愛しているんだ。」びっくりした美叔は抵抗した。前田はとばっちりを避けるように端に退いた。美叔は呉哲が結婚を迫っていることに閉口しているようだ。
「何をするの、したいなら好きにしてよ」美叔は抵抗を止めた。
 そうなると呉哲も困って、何もできなくなった。
 数日すると呉哲は一人、ソウルに戻った。入れ代わりに、漢先生の紹介で、気功を練習中の男が隣の家に入った。


 <ソウル>

 前田がソウルに戻ると、高宮は清美の下宿にいた。 
 高宮は下宿探しを手伝っているうちに清美の下宿に腰を落ち着けた。
 下宿のある路地には夕方、露店が並ぶ。清美は高宮のために、新鮮な野菜を買い、煮込んだり、たまにはカレーや、シチューを作った。ママ印の韓国製電気釜にはステッカーが貼ってあり、日本製品と比較して下さいと書いてある。高宮はそれを見る度に苦笑した。なにしろ、日本製とは違って、まるで蒸気機関車のよな音がして、やたらに蒸気を吐きまくり、お湯まで吹き出し、周りに新聞でも置いて置かないと、あとで掃除が大変なのである。冷蔵庫は、われここにありとばかり、ぶんぶんとうなっている。
 おおやに気を使って、携帯用ガスコンロを買い、部屋の中で調理した。
 裏手の山に湧き水がある。夜、湧き水を汲みに行くのが日課になった。ポリのスプライトの容器をぶら下げて空き地を過ぎると、街灯がついている。看板があって、飲料に適すると書いてある。そこから市内を眺めると、街の灯が浮かんで見える。歌を歌いながら高宮は下宿に戻る。途中に深夜まで開いている店があり、ビールやたばこを買った。
 どうしてこうなったかはよくわからない。清美の作る料理を食べているうちに帰国が伸び、新しい下宿探しに奔走した。清美からみると、物静かな、高宮の存在が狭い部屋の中で、気にならないし、なにかと仕事を手伝って貰っているうち、親しみが沸いたのだろう。 しかし、高宮が帰国することになると二人は荒れた。
「今度はいつ来て下さるの」
「夏休みかな。ゴールデンウィークはちょっと難しい。」
「やっぱり、仕事やめる訳にはいかないでしょ。」
「仕事の方が大事よね。」
「君を、日本によぶためにも仕事は必要なんだよ。」
「それなら、日本にはいかないわ。」
「ぼくを困らせる気」
 高宮は自分で買った電気スタンドを叩いた。笠がとんで清美の顔に当たった。
 清美はしくしく泣いた。高宮は外へ飛び出した。もうここには戻りたくないと思った。。 高宮は街を一回りした。顔見知りになった店の人が挨拶する。
「今日はお一人ですか。奥さんは」どうやらこのあたりでは高宮を清美の夫と思っているらしい。本屋や、清美と訪ねた不動産屋や、不動産屋の紹介で部屋を見た下宿屋の前を通った。考えてみればなに一つうまくいってはいなかった。これから清美はどうするんだろうと思った。気をとりなおして下宿に戻った。清美は食事の支度をしていた。


 <同居>

 高宮が帰国して間もなく、前田が清美を訪ねた。
「美叔は凄いわね。一人で田舎暮らしを始めるなんて、私にはできないわ。」
「新しい下宿はどうなったの。」
「高宮さんと探したけどまだ、いいところがみつからないの。」
「高宮さんとはうまくいきそうなの。」
「まさか。」
「二人で暮らしても何もおきなかったの」
「あら、セックスのこと、私はね、そういう関係は興味ないの。私って変かしら」
「そんなことはないよ。セックス以外にもいろいろな接触の仕方があるしね。」
「そうね、男の人と抱き合って寝るのは気持ちいいわ。」
「好きな人とならね」
「でも、まわりの人は何もなかったと言っても信用しないでしょ。」
「韓国では、処女ということの意味は重い。」
「当然よ」前田は言い過ぎたとおもって口をつぐんだ。
「もう今さらどうしようもないわ。前田さんもここへ泊まってって。」


 <結婚式>

 自然の友の会員の結婚式に呼ばれた。呉哲も、威敬徳も、李英子も、金美叔も、朴清美もいる。伝統にのっとった韓国式で、近頃珍しい式だった。女性は少なく、年頃の男たちが多かった。美叔はみんなの相手をして目立っていた。最後の酒盛りが激しくなったとき、数人の男達が荒れて、美叔に絡んだ。美叔は前田の隣に避難してきた。それから間もなく、だれかがわざと美叔の上に倒れこんだ。美叔は苦痛に顔を歪めた。肋骨を折ったかもしれない。医学の心得がある青年が調べて安静にして病院に行った方がいいと言う。彼はしばらく美叔の胸を押さえていたが、前田に交替するように言った。前田はじっと胸を押さえて添い寝をした。
 次の日、病院でレントゲンを撮ると、ひびが入っていると言うので、漢先生のところへ行った。治療を数日受けて、美叔の家へ送って行った。
「前田さん、ソウルで清美の下宿に泊まったりしてるんでしょ」
「あそこも、おおやともめてるから大変なんだよ」
「それで、二人でいても何もおきなかったの」
「それがね、どうも清美はセックスがきらいらしくて。でも、パンツはびっしょりぬれてるんだ」前田は言い過ぎたかなと思って美叔を見た。
 美叔は目をつぶって、笑いをこらえているようだった。
「笑うと、肋骨にひびくのよ。清美ももう二十八よ。そういうのを老処女と言うのよ。はっきり言って売れ残りよね。私は三十だから今更慌てないけどね。」
 外で薪割りの音がしている。漢先生紹介の青年だ。
「あの若い人はもくもくと良くやるね。」
「一日、五時間以上は座禅してるのよ。学生運動していて頭を割られて、それから体の調子がおかしいみたい。人とはうまくやっていけないようよ」


 <美叔と前田>

 孫季明が、地図をたよりに漆谷に来たのは、春にはまだ遠く、小雪が時折ちらつく時分だった。堤川からバスで、国道からそれ、がたがた道を湖が見えてからさらに30分ほど走ると、8軒家が固まったところを更に行った一軒屋でおりる。忠州湖のほとりである。 人工の湖で、湖底には村が沈んでいる。つり用のいかだが浮かんでいて、つり客がぽつぽつと来ている。湖面は静かで、つれてもざこばかりだ。
 ソウルで前衛演劇をしていたが、都会の喧騒の中で、つかれ果てていた。瞑想をしながら、農村でくらすには金もかからないので、現金収入がない孫にとっては好都合なのであった。バス停から更に小川に沿って小道を10分程登ると、左の川向こうに農家が1軒見える。そこから坂が急になって、右側にこじんまりした家が土壁に囲まれて2軒あった。 孫はそこまで登り、背中のリュックを下ろし土手に腰を下ろした。ぷーんと漢方薬の匂いがした。畑に当帰が栽培されているらしい。学園闘争で機動隊にわられた傷跡をこする。「さて、なんと言って挨拶しようか。」若い女性の一人ぐらしの家へ押し掛けるのである。めげてしまいそうだが、ここまで来たら引き返せない。
 奥の南向きの家が金美叔の部屋らしい。しょうじのドアが開いている。にわとりがこちらを見てる。 
「金美叔さん、孫ですが。」
寒空の下で薪を集めるのも修行である。
 美叔は、小川の土手に夏目の木があって実をつけている。切る前田は、渋柿のおおきな木を見つけ、夕方取りに出掛けた、持ち主はわからないが、回りに家は見当たらない。  春、美叔は文化庁の依頼で、南の珍島に教育調査に入った。

続いて二組の男女のそれぞれのつきあいが始まる。
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